とり

とり
I
とり【取り】
※一※ (名)
(1)取ること。 また, 取る人。 多く他の語と複合して用いる。

「月給~」「相撲~」「借金~」

(2)寄席で, 最後に出演する人。

「~をつとめる」

(3)(「どり」の形で)数量を表す語の下に付いて用いる。 (ア)それだけの米の量を知行として受け取る武士をいう。

「五百石~」(イ)それだけの米の量をもって作る供え餅をいう。 「五合~」(ウ)それだけの金額を給料としてとる人をいう。 主として明治から昭和前期までの言い方。 「八十円~の会社員」

※二※ (接頭)
動詞に付いて, 語勢を強めるのに用いる。

「~つくろう」「~決める」「~調べる」「~紛れる」

II
とり【肚裏・肚裡】
〔「肚」は胃の意〕
腹の中。 心のうち。
III
とり【酉】
(1)十二支の第十番目。 年・日・時刻・方位などに当てる。
(2)時刻の名。 今の午後六時頃。 または午後五時から七時までの間。 または午後六時から八時。

「~の刻」

(3)方角の名。 西方。
IV
とり【鳥・鶏】
(1)鳥類の総称。 卵生・温血の脊椎動物で, 羽毛におおわれ, 翼をもつ。 《鳥》
(2)にわとり。 《鶏》「~のがらでスープをこしらえる」
(3)鳥の肉。 特に, にわとりの肉。 かしわ。

「~のささ身」

~帰る
日本で冬を越した渡り鳥が, 春になって北方へ帰る。 ﹝季﹞春。 《江の北に雲なき日なり~/松瀬青々》
~雲に入(イ)る
春, 北方へ帰る渡り鳥が雲のかなたへ去って行く。 鳥雲に。 ﹝季﹞春。
~交(サカ)る
鳥が発情し交尾する。 鳥つがう。 ﹝季﹞春。
~無き里の蝙蝠(コウモリ)
〔鳥のいない所では, 空を飛べる蝙蝠が威張る意から〕
すぐれた者のいない所では, つまらない者が威張ることのたとえ。
~の空音(ソラネ)
〔昔, 中国で, 孟嘗君(モウシヨウクン)が秦から脱出するとき, その食客が鶏の声をまねて鳴き, 関所の番人を欺いて函谷関(カンコクカン)の関所を通り抜けさせたという故事から〕
鶏の鳴きまねをすること。

「夜をこめて~ははかるとも世に逢坂の関はゆるさじ/後拾遺(雑二)」


Japanese explanatory dictionaries. 2013.

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